家庭教師は、高校の学籍を置く場所ではありません。
スクーリング、試験、単位認定、卒業判定を行うこともできません。
反対に、学校やサポート施設に「大学進学対応」と書かれていても、現在の学力から必要な教科を一対一で学び直す時間が十分にあるとは限りません。
どれが一番良いかを決めるのではなく、本人に必要なことがどこで受けられるのかを確かめることが大切です。
サポート校という呼び名だけでは、高校の学籍を置く学校、卒業証書を出す学校、スクーリングや試験を行う場所、受けられる支援の範囲は分かりません。
候補の学校・施設には、少なくとも次の点を確認します。
高校の学籍を置く学校
卒業資格を出す学校
レポート・スクーリング・試験・単位を管理する学校
通学する曜日・場所・時間
施設内で受けられる学習・生活・進路支援
分からない教科を誰に、どの程度質問できるか
追加費用や契約条件
制度上の位置づけや最新情報は、候補校・施設の資料と公的情報で確認してください。
文部科学省「通信制高校とは?」を見る
説明会では、校舎の雰囲気や通いやすさだけでなく、入学後の一週間を具体的に想像します。
入学後の生活が見えてくると、通信制高校だけで無理なく続けられそうか、日中に通える場所や別の学習支援も必要かを考えやすくなります。
単位の引継ぎ、卒業見込み、費用、契約条件は、現在の学校と候補校・施設へ書面で確認します。
資料を集めても、本人がパンフレットを見ない、見学日になると動けない、「どこでもいい」と話が終わることがあります。
その段階で、多くの学校を本人に比較させても、決められない場合があります。
保護者の方だけで先に整理できるのは、
現在の欠席・課題・成績・進級の状況
本人が今の学校で負担に感じていること
家ではできていること
外出しやすい曜日や時間帯
一人、少人数、集団での負担の違い
現在止まっている教科や学習場面
などです。
これは、保護者の方だけで進路を決めるためではありません。
本人に尋ねたいこと、現在の学校に確認したいこと、候補校に質問したいことを分けておくと、本人が話せるときに一度に多くの判断を求めずに済みます。
現在の学校を休む日が増え、転学を決める前に学習や進路を整理したい場合はこちらです。
学校を休む日が増えたときの学習と進路を見る
一度だけ、不登校中の学習と進路を整理したい場合はこちらです。
学校へ行けない時期の勉強と進路を一度整理する相談
通信制高校では、レポート、スクーリング、試験などを通じて学びます。
ただし、履修科目、レポートの回数・提出方法、スクーリングの日程、試験を受ける条件、追試・再試験、進級・卒業の条件は、学校やコースによって異なります。
一般的な通信制高校の説明から推測せず、本人の在籍校が出している資料を確認します。
単位認定と卒業の判断は、在籍校が行います。
家庭教師が「単位を取れる」「卒業できる」と判断することはできません。
家庭教師がお手伝いできるのは、学校の条件を踏まえながら、今どの課題で止まっているのか、どの教科から学び直す必要があるのかを一緒に確かめることです。
レポートには締切があります。
すべてを十分に理解してから進めようとして期限を過ぎれば、単位に影響する可能性があります。
反対に、答えを埋めて提出することだけを優先すると、試験や次の単元、卒業後の学習で同じところに止まることがあります。
そこで、
を分けます。
すべての教科に同じ時間をかければよいとは限りません。
提出期限が近いもの、試験につながるもの、進路のために理解しておきたいものでは、優先する内容が異なります。
本人の体調や現在の理解も見ながら、その時点で何を先に考えるかを決めていきます。
家庭教師が答案を作り、本人の提出物として出すことはできません。
解答例や生成AIの文章を、そのまま本人の答えとして提出することも勧めません。
本人が設問の意味を捉え、必要な資料を確認し、自分の答案を作れることを目指します。
外部資料や生成AIをどこまで利用できるかは、在籍校と科目のルールに従います。
学校ポータルを確認する場合も、IDやパスワードを家庭教師へ預ける必要はありません。
本人または保護者の方が管理します。
高校内容で止まっていても、広い範囲を最初からやり直すとは限りません
高校のレポートが難しいとき、原因が現在の単元だけにあるとは限りません。
中学校内容とのつながり、問題文の読み取り、必要な情報の選択、学習への取りかかりなど、複数の可能性があります。
一方で、中学校三年間を最初からすべてやり直す必要があるとも限りません。
今困っているレポートや試験、その先の進路に関係するところから確かめます。
どこまで戻る必要があるかは、一人ひとり異なります。
本人にも「どこから分からないのか分からない」というときは、まず現在の学習状態を一緒に見直すこともできます。
勉強の遅れと現在地を整理する学習相談
スクーリング・試験・単位・卒業は、学校の資料を基準にします
スクーリングの必要時間、欠席した場合の対応、補充、試験を受ける条件、追試・再試験、単位認定は在籍校へ確認します。
医療上の注意は医療機関へ、出席・補充・配慮は在籍校へ相談します。
家庭教師は、学校の判断や医療判断の代わりにはなりません。
確認できた条件に合わせ、教科の理解、試験に向けた学習、学校へ尋ねたいことを整理します。
文部科学省「通信制高校のよくある質問」を見る
高校卒業のための学習と、その先の進路の学習は同じではありません
通信制高校を卒業すれば、全日制・定時制と同じ高等学校卒業になります。
ただし、卒業に必要なレポート・スクーリング・試験と、大学・専門学校へ進むために必要な教科学習は同じではありません。