学校名を知ることと、本人に合う学校を選ぶことは別です
愛知県内には、東海、滝、南山、名古屋、愛知淑徳をはじめ、男子校、女子校、共学校の選択肢があります。
候補が増えると、偏差値や大学合格実績の順に並べたくなります。もちろん、どちらも学校を知るための大切な資料です。ただ、その数字だけでは、本人が六年間を過ごす学校は決まりません。
説明会や学校行事では、保護者と本人が違うところを見ていることがあります。保護者は教育方針や進学実績を聞き、本人は授業中の生徒や先輩の様子を見ている。保護者には魅力的でも、本人はあまり関心を示さないこともあります。
帰宅してすぐに結論を求めず、何が印象に残ったかを聞きます。一校では違いが分からなかった子が、別の学校を見た後に初めて自分の希望を話すこともあります。
そのうえで、学校の教育、本人の希望、現在の学力、入試問題との相性を一緒に見ます。「届きそうだから受ける」「名前を知っているから受ける」だけにしません。
学校を調べる入口には、愛知県私学協会の中学校一覧があります。気になる学校が見つかったら、各校の公式サイトや説明会で確かめ、受験年度の募集要項を確認してください。
長く通っている塾には、簡単には置き換えられないものがあります。先生がお子さんの性格を知り、四教科の授業とテストが一つの流れになっている。毎週勉強する習慣ができている。こうしたものは受験勉強の土台です。
ただし、塾が毎年多く担当している学校と、ご家庭の志望校が同じとは限りません。これは、塾の良し悪しとは別の話です。日頃扱っている入試問題や受験生が違えば、教材、模試、学校別対策の組み方も変わります。
志望校を伝えたら、次のことを聞いてみてください。
必要なものが今の塾にそろっているなら、むやみに環境を変えなくてよいと思います。一部分だけ足りないなら、普段の授業を続けながら、その部分だけを外から補えます。
ただし、足りないと感じるたびに教材や授業を増やすと、自分で解き直す時間がなくなります。何かを加えるなら、その週から何を減らすかも一緒に決めます。
すでに宿題が回らなくなっている場合は、中学受験塾についていけない子の家庭学習を先にお読みください。転塾や講座追加を決める前に、別の見方がほしい場合は、中学受験のセカンドオピニオンで扱っています。
同じ学校でも、受けた模試によって判定が変わることがあります。
よい判定が出れば安心し、悪い判定が出れば落ち込みます。けれども、模試ごとに問題の作りや受験者層が違うため、数字だけでは次の勉強は決まりません。
算数では、正答率の高い問題を落としていないか。難しい一問に時間を使いすぎていないか。国語では、本文の根拠を拾って答えたのか。理科や社会では、知らなかったのか、資料を読み違えたのか、設問の条件を落としたのか。
同じ十点の失点でも、中身は違います。
模試は、合格の可能性を一つの数字で決めてもらうためだけのものではありません。普段の教材へどこまで戻るのか、学校別の問題を始める準備ができているのか、次の一か月で何を直すのかを考える資料として使います。
六年生で過去問を始めると、どうしても合格最低点との距離が気になります。
届いていれば安心し、届かなければ別の年度を急いで解きたくなります。しかし、点数だけを残して次へ進むと、同じ失敗を繰り返します。
私は、答案と一緒に問題用紙も見ます。
国語の記述や、理科・社会の説明問題では、採点する人によって判断が揺れやすい部分もあります。点数だけでなく、何が書けていて、何が相手に伝わっていないのかまで見ます。
第一志望と併願校の両方で同じ単元を落としているなら、まず共通の弱点を直します。ある学校の問題だけで崩れるなら、文章量、時間配分、記述、作図など、その学校に合わせて確かめます。
過去問を始める時期は、カレンダーだけでは決めません。解いた一年分を次の勉強へ戻せる状態かどうかも見ます。
難関私立中を考え始めると、算数の難問が目につきます。
比・割合・速さ・図形などを使う問題への準備は必要です。ただ、難しい問題をたくさん解けば、初見問題にも強くなるとは限りません。
例題の解説を聞いた直後には解けるのに、数日後には式が出ない。似た問題では解けるのに、条件の置き方が少し変わると止まる。正解しているけれど図がなく、なぜその式を使ったのか説明できない。
こうした場合は、問題集の難度を上げる前に、本人がどこまで自分で考え方を取り出せているかを見ます。
問題文を読んだ後、何を書き始めたのか。どの条件を使おうとしたのか。ヒントを受けた後、自分で続きへ戻れたのか。正解か不正解かだけでは見えない部分があります。
算数に時間を使いすぎて、国語・理科・社会の復習が後回しになっていないかも確認します。四教科入試では、算数だけを完成させてからほかの教科へ進むことはできません。
算数で最初の一手が出ない場合は、中学受験算数|答えではなく考えている途中を見るもお読みください。
国語・理科・社会は、失点をすべて知識不足にしません
国語では、選択肢の正誤だけでなく、本文のどこを根拠にしたかを聞きます。
答えは合っていても、理由を説明できなければ、次の文章でも同じように選べるとは限りません。記述も、模範解答の言葉へ近づける前に、本人が本文から何を拾い、何をつなごうとしたのかを見ます。
理科や社会も、間違えた問題をすべて暗記不足にはしません。知識を知らなかったのか。知っていたのに設問へ使えなかったのか。表やグラフを読み違えたのか。条件を一つ落としたのか。戻る場所はそれぞれ違います。
国語の選択肢や記述が安定しない方は、中学受験国語|本文の根拠から読み直すへつながります。
併願校を、本番に慣れるためだけの学校として選ぶことがあります。実際の入試を経験する意味はありますが、学校は練習会場ではありません。
合格したら進学を考えられるのか。本人は、その学校で学ぶ可能性を受け入れているのか。第一志望の結果が出る前に手続きが必要な場合、家庭としてどう判断するのか。出願前に話しておきます。
また、第一志望の対策だけを深く進め、併願校の問題をほとんど見ないまま受けるのも心配です。学校が変われば、問題の並び方、文章量、時間の使い方、答え方が変わります。
何校も同じ量だけ対策するのではなく、共通して直せるところと、学校ごとに確かめるところを分けます。出願校を増やすほど安心できるとは限りません。
入試日程や出願、合格発表、入学手続きの期限は年度によって変わります。愛知県私学協会の日程情報を入口にし、最後は必ず各校の最新募集要項をご確認ください。
五年生では、学校別の難問を急ぐ前に、授業で習ったことを翌週も一人で使える状態にします。宿題が終わったかだけでなく、少し形を変えた問題でも考え方を取り出せるかを見ます。
候補校を見比べながら、本人が何に関心を持つかを知る時期でもあります。保護者が学校のよさを先に説明しすぎず、本人から出てくる言葉を待ちます。
→ 中学受験の小学5年生|算数・宿題・家庭学習を立て直す
六年生になると、通常の授業、模試、学校別の勉強、過去問、出願準備が重なります。
すべての教材を同じ強さで進めることはできません。今週は何を直すのか。いったん後へ回す問題は何か。追加した教材を本当に使い切れるのか。本人が一人で考え直す時間を残せているか。
六年生では、増やすことより、残り時間に合わせて選ぶことが必要になります。
→ 中学受験の小学6年生|過去問と家庭学習の優先順位
愛知教育大学附属岡崎中学校や、愛知県立の附属中学校も候補に入れているご家庭があります。ただし、私立中の四教科入試、国立大学附属中学校の入学者選考、県立附属中学校の適性検査を、すべて同じ対策として扱うことはできません。
共通して身につけたい読解力や条件整理はあります。その一方で、問題の作り、答え方、必要な教材は違います。両方を考える場合は、共通して学べる部分と、それぞれに必要な準備を分け、教材を重ねすぎないようにします。
附属岡崎中の入学者選考や応募資格は、学校公式の入学案内で受験年度の情報をご確認ください。
県立附属中学校については、愛知県の入学者選抜案内に最新情報が掲載されます。
附属岡崎中については愛知教育大学附属岡崎中学校を考えるご家庭へ、県立附属中については岡崎から県立中高一貫校を考えるご家庭へで、私立中とは分けて整理しています。
愛知県内の学校と県外校を比べている方は、岡崎から全国の私立中学受験を考えるご家庭へもお読みください。
受験が近づくほど、保護者が毎週の予定、宿題、模試の直し、学校選び、過去問の採点まで抱え込みやすくなります。
声をかける回数が増え、子どもは返事だけをして動かない。親はさらに強く言い、勉強の話をするたびに言い争いになる。こうなると、教材や講座を増やしても家庭では回りません。
家庭で決めること、本人に任せること、塾へ聞くこと、第三者に任せることを分けます。保護者が授業中の理解確認まで一人で背負う必要はありません。
宿題や予定をめぐって親子でぶつかることが増えた方は、中学受験で親子喧嘩が増えたご家庭へもお読みください。
家庭教師は、今の塾を生かしながら子どもの手元を見ます
家庭教師が入るからといって、塾の役割をすべて置き換える必要はありません。
今の塾で四教科の授業と学習の流れができているなら、それを生かします。そのうえで、授業では見えにくいところを個別に見ます。
解説を聞けば分かるのか。一人でも同じ考え方を使えるのか。初めて見る問題では、どこから手が止まるのか。正解していても長く迷っていないか。模試の点数と、実際の理解が一致しているか。
これまで、東海、滝、南山男子、愛知淑徳などを目指す子どもたちを見てきました。同じ学校の合格者が使った教材であっても、次の子へそのまま当てはめることはしません。学校名が同じでも、つまずいている場所は違うからです。
このサイト、Thinking Studyを運営しているのも、noteで「豊橋の凡人家庭教師」として書いているのも、岡崎のご家庭を担当するのも同じ私です。
→ 正解した問題を説明できない子|豊橋の凡人家庭教師
塾では順調だと言われているが、家で解く様子を見ると不安がある。模試の判定は悪くないのに、過去問になると点が取れない。志望校を変えるべきなのか、今の勉強を直すべきなのか分からない。
こうした段階でも構いません。相談の前に、困りごとをきれいに言葉にする必要はありません。
ご相談の際は、分かる範囲で次のものをお知らせください。
お子さんの学年
考えている学校。まだ絞れていなければ、現在の候補
今の塾、コース、使用教材
最近受けた模試やテストの問題と答案
過去問へ取り組んでいれば、その問題用紙と答案
家庭でいちばん気になっていること
教材と答案を見ながら、今の塾で得られていること、志望校に対して曖昧なこと、次に確かめたいことを考えます。
合格や成績上昇を保証することはできません。また、難関校や転塾を一律に勧めることもありません。今のお子さんに必要なことを、できるだけ具体的にお伝えします。
岡崎から愛知県内の私立中学受験について相談する
指導料金・学習相談料金を確認する
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はい。現在のコース、教材、宿題、模試、答案を見て、得られているものと不足しているものを分けます。転塾を前提にはしません。
一教科からでも相談できます。ただし四教科入試では、算数に使っている時間がほかの教科を圧迫していないかも確認します。正誤だけでなく、問題を読んでから手が止まるまでの様子を見ます。
ご相談はできます。ただし、状況を見ずに「間に合います」とは言えません。新しい志望校の過去問、現在の教材と答案、残り時間を見て、優先することと、今回は追わないことを分けます。
考えることはできます。ただし、入学者選考と入試問題は同じではありません。共通して学べる部分と、別に準備する部分を分け、教材や模試を増やしすぎないようにします。
※入試科目、日程、出願方法、募集人数、入学手続きなどは、学校・年度によって変わります。受験校を決める際は、各学校公式の最新募集要項をご確認ください。