関東、関西、そのほかの地域では、受験生が使う教材や模試、入試の組み方が違います。同じ地域にある学校でも、必要な科目、問題の作り、記述の量は同じではありません。
県外校を考え始めたからといって、「全国対応」と書かれた教材を探せばよいわけではありません。
必要なのは、一校の入試から逆に見ることです。
今の教材で共通して学べることは何か。学校固有の準備は何か。どの模試を、何の判断に使うのか。第一志望と併願校の両方で直せる弱点はどこか。
学校名が決まらないまま難しい問題集を増やしても、準備は深まりません。まず一校か二校について、学校生活と入試の両方を調べます。蒲郡で身近な人から詳しい話を聞けない学校なら、評判で補わず、学校公式の情報と実際の入試問題から確かめます。結果として別の学校が本人に合うと分かっても、それは後戻りではありません。
愛知県内の私立中とまだ比べている方は、蒲郡から名古屋・愛知県内の私立中学受験を考えるご家庭へへ進んでください。
県外校を目指すと決めると、今の塾では足りないのではないかと心配になることがあります。
私は、塾の名前だけで判断しません。現在の教材、模試、テスト、答案を先に見ます。
四教科を順序立てて学べている。毎週勉強する習慣ができている。先生がお子さんの性格や、これまでのつまずきを知っている。こうしたものは、志望校が県外でも残せる土台です。
ただ、特定の学校を受ける子が、その教室に毎年いるとは限りません。普段使っている教材や模試と、その学校を目指す受験生が多く使うものが一致しないこともあります。
これは、地元の塾がよくないという話ではありません。日頃向き合っている学校と受験生が違えば、蓄積される情報も違います。
今の塾には、学校名を伝えるだけでなく、次のことを確かめます。
その志望校を受けた生徒を、最近担当しているか
担当の先生が近年の過去問を見ているか
現在の教材で共通して学べる範囲はどこか
学校固有の準備は何か
どの模試を、何の判断に使うのか
過去問の採点と解き直しを誰が見るのか
全部が一つの塾にそろっていなくても構いません。今あるものと足りないものが分かれば、補う範囲を決められます。
県外校について調べると、別の模試、学校別講座、問題集、オンライン授業などが、どれも必要に見えてきます。
しかし、何となく不安だから増やすのでは、本人の勉強は整いません。
模試なら、何を測るのかを決めます。広い範囲の定着を見るのか、志望校を考える受験生の中での位置を見るのか、学校に近い問題への対応を見るのか。同じ学校の判定が違っても、測っているものが違えば不思議ではありません。
学校別講座や個別指導を加える場合も、任せることを絞ります。
算数の初見問題を見る。国語の記述を添削する。過去問の順番と解き直しを管理する。理科・社会の抜けを普段の教材へ戻す。役割が決まっていれば、今の塾と重ねる意味があります。
一方、同じ内容を別の授業でもう一度聞くだけなら、本人が一人で解く時間を減らすことがあります。新しい講座や教材を一つ加えるなら、その週から何を減らすかも決めます。
塾の宿題がすでに回らなくなっている場合は、中学受験塾についていけない子の家庭学習を先にお読みください。今の塾と志望校の組み合わせを別の目で確かめたい場合は、中学受験のセカンドオピニオンで相談できます。
全国から候補を探すと、解いてみたい過去問も増えます。けれども、六年生で何校分も広げると、解いた年度数だけが増え、直しが浅くなることがあります。
最初は一校の一年分を丁寧に見ます。
大問を解いた順番
問題文への書き込み
図、表、途中式
読み落とした条件
知識がなくて止まった問題
方針を決められず止まった問題
解説後に一人で解き直せたか
数日後にも同じ考え方を使えたか
合格最低点まであと十点という結果でも、時間の使い方を変えれば届く子と、基礎単元まで戻る必要がある子では、次にすることが違います。
一年分から、普段の教材へ戻す単元、今の塾で続けること、その学校のためだけに補うことを決めます。それから次の年度や別の候補校へ進みます。
算数では、初めて見る問題で最初の一手が出るかを見ます。国語では、本文のどこを根拠に選択肢や記述を作ったかを聞きます。理科・社会では、知識不足と資料の読み違いを分けます。
詳しい見方は、中学受験算数|答えではなく考えている途中を見ると中学受験国語|本文の根拠から読み直すにまとめています。
県外校には、四教科入試だけでなく、二教科やそのほかの方式を設ける学校もあります。方式は学校と年度によって変わるため、必ず最新の募集要項で確認します。
受けたい学校が二教科で受けられると分かると、理科や社会を止めた方がよいように見えることがあります。しかし、併願校では四教科が必要かもしれません。候補校が変わる可能性もあります。
一度止めた教科を六年生の後半で戻すのは簡単ではありません。
科目を絞るなら、一校の入試だけでなく、併願全体と現在の得点を見ます。苦手だから外すのか、限られた時間を得意教科へ集めるのかでも意味が違います。
反対に、四教科を同じ時間だけ勉強する必要もありません。第一志望と併願校で必要な科目、現在の得点、伸ばせる範囲を見て配分を変えます。
五年生では比べる土台を作り、六年生では探し続けません
五年生で県外の一校へ早く決め切るより、どの候補にもつながる学力を先に作ります。
授業中に分かった問題を、翌週も自分から解き始められるか。算数の比・割合・速さ、国語の設問理解、理科・社会の復習など、志望地域が変わっても残る部分を固めます。
同時に、候補校の何に本人が関心を持ったのかを聞きます。最初に話していた理由が、学校を知るうちに変わっても構いません。
→ 中学受験の小学5年生|算数・宿題・家庭学習を立て直す
六年生では、候補校を絞り、共通して直すことと学校別に行うことを分けます。
もっと合う学校があるかもしれない。別の模試も受けた方がよいかもしれない。新しい教材が必要かもしれない。不安になるほど選択肢は増えますが、子どもの一週間は増えません。
今の時点で何を優先するか。今回は追わないことは何か。本人が一人で解き直す時間と睡眠を残せる量まで絞ります。
→ 中学受験の小学6年生|過去問と家庭学習の優先順位
県外校への進学後は、本人が寮で暮らす場合も、家族が生活の拠点を変える場合もあります。親族の支えを前提に考えるご家庭もあります。
これは、合格してから初めて考える話ではありません。
本人は新しい生活をどう受け止めているのか。困ったときに、誰へ助けを求めるのか。家族の生活を変えることが現実にできるのか。日々の食事や体調、学校との連絡を誰が担うのか。
合格までは塾と家庭が細かく予定を決めていたのに、入学した途端に本人任せになることがあります。授業が分からなくなったとき、学校の教材をどこまで戻るのか。質問したいことを言葉にできるか。教えてもらった後、一人で解き直せるか。
受験中から、困っているところを言葉にし、自分で学習へ戻る経験を作ります。合格前に身につけた勉強の仕方は、入学後にも残ります。
進学後の数学・英語や学校教材については、東三河の中高一貫校生向け学習サポートで相談できます。
情報を集めるのは保護者でも、問題を解くのは本人です
県外校について調べ始めると、保護者が学校、模試、講座、教材について多くの情報を集めることになります。
その情報が、そのまま子どもの机に積み上がることがあります。
受験ブログで見た教材。合格者が使った問題集。塾から勧められた講座。どれも理由があって紹介されていても、今のお子さんにすべて必要とは限りません。
何かを加える前に、今ある教材の何が足りないのかを見ます。始めるなら、いつ解き、いつ解き直すかまで決めます。
採点も解説も予定の管理も保護者が抱え、勉強の話をするたびに親子でぶつかるなら、家庭で続けることと、塾や第三者へ渡すことを分けた方がよいかもしれません。
→ 中学受験で親子喧嘩が増えたご家庭へ
→ 親の不安が、教材の数に変わるとき|豊橋の凡人家庭教師
知らない学校は、公式情報と過去問から一緒に確かめます
私は家庭教師として約三十年、延べ六百人ほどの学習を見てきました。愛知県内だけでなく、関東・関西の私立中や寮制中を受ける子、進学後の中高一貫校生にも関わってきました。
それでも、全国すべての学校を以前から知っているわけではありません。入試制度や教育内容は変わります。候補校の公式情報と最新の過去問を確認し、現在の塾、教材、模試、本人の答案との間を見ます。
初めて見る問題で、どこから考え始めるか。条件を図や表へ移せるか。なぜその式や選択肢を選んだか。解説を聞いた後、一人で再現できるか。
志望校の所在地や知名度が違っても、判断の最後に置くのは、その子が実際に解いている姿です。
Thinking Studyを運営しているのも、noteで「豊橋の凡人家庭教師」として書いているのも、蒲郡のご家庭を担当するのも同じ私です。
→ 正解した問題を説明できない子|豊橋の凡人家庭教師
県外まで候補を広げる意味があるのか。今の塾でどこまで準備できるのか。模試によって違う判定をどう見ればよいのか。調べるほど学校が増えて決められない。
そういう段階でも構いません。
ご相談の際は、分かる範囲で次のことをお知らせください。
お子さんの学年
気になっている学校と、その理由
現在の塾、コース、使用教材
最近の模試やテストの問題と答案
過去問へ取り組んでいれば、その問題用紙と答案
合格後の生活について、現在考えていること
ご家庭でいちばん困っていること
相談前に一校へ絞る必要はありません。今の勉強から残すもの、志望校のために補うもの、当面は増やさないものを、教材と答案から整理します。
合格や偏差値上昇は保証できません。それでも、現在できていること、手が止まっているところ、次に確かめたいことは具体的にお伝えします。
蒲郡から全国の私立中学受験について相談する
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まだ決めなくて構いません。気になる県外校を一校か二校に絞り、本人が求めているもの、必要な準備、合格後の生活を愛知県内の候補と比べます。その結果、県内から選ぶこともあります。
可能かどうかは、現在のコース、教材、模試、過去問への対応を見て判断します。四教科の授業や学習習慣は残し、学校別の問題や過去問管理だけを補える場合もあります。
相談はできますが、学校名と現在の答案を見ずに「間に合います」とは言えません。入試までの期間、未習単元、過去問との差を確認し、準備する学校と今回は追わない学校を分けます。
一教科から相談できます。ただし四教科入試なら、算数へ時間をかけることで、ほかの三教科が止まっていないかも見ます。点数だけでなく、問題を読んでから手が止まるまでの様子を確認します。
※入試科目、日程、出願方法、入学手続き、学費、寮などの条件は、学校・年度によって変わります。受験校を決める際は、各学校公式の最新募集要項をご確認ください。