学校を見た後は、「よかった?」だけで終わらせません
学校説明会や行事を見た後、保護者は学校の教育方針や進学実績を覚えていて、本人は在校生の会話や部活動の様子を覚えていることがあります。
見ているところが違っても構いません。
帰宅後に「よかった?」と聞けば、本人は「よかった」と答えやすいものです。もう少し具体的に、何が印象に残ったか、意外だったことはあったか、自分がその中にいるところを想像できたかを聞きます。
一校見ただけでは何も話さなかった子も、二校、三校と見るうちに反応が変わります。授業をよく覚えている、生徒の様子にひかれている、落ち着いた雰囲気を好んでいる。その違いを説得の材料にはせず、本人の言葉として残します。
学校を決めるための話し合いが、いつも親子の言い争いになる場合は、結論を急ぐ前に、家庭で誰がどこまで決めているかを見直します。中学受験で親子喧嘩が増えたご家庭へも参考にしてください。
男子校・女子校・共学校を、偏差値表の横一列だけで比べない
愛知県内では、男子校として東海中学校、名古屋中学校、南山中学校男子部、女子校として南山中学校女子部、愛知淑徳中学校、金城学院中学校、椙山女学園中学校、共学校として滝中学校、愛知中学校、愛知工業大学名電中学校などが候補に挙がります。
けれども、ここで学校名を長く並べても、学校選びは進みません。
偏差値や大学合格実績は大切な資料ですが、それだけでは六年間の姿までは分かりません。公式サイトで教育方針、授業、行事、入試案内を読み、実際の生徒や先生の様子を見ます。保護者の評判だけで決めず、本人がどこを見ていたかも残します。
近隣の選択肢として桜丘中学校を考えている場合は、名古屋方面の学校と一緒にしてしまわず、その学校で過ごす六年間として比べます。豊橋・東三河の私立中学受験|桜丘中学校を考えるご家庭へで詳しく扱っています。
全寮制の学校を候補にしている場合は、学校選びの前提が異なります。蒲郡から海陽中等教育学校を考えるご家庭へで分けて扱っています。
愛知県内の私立中学校を調べる入口には、愛知県私学協会の中学校一覧があります。最終的な確認は、各校公式サイトと受験年度の募集要項で行います。
第一志望が決まっても、教材を全部替える必要はありません
志望校が決まると、その学校向けの教材をすぐにそろえたくなります。しかし、現在の塾で四教科を順序立てて学び、勉強する習慣がついているなら、その土台まで捨てる必要はありません。
一方で、今の教材をきちんと終えていることと、志望校の準備ができていることは同じではありません。
塾がよく扱う学校と、ご家庭の志望校が違えば、触れる問題や模試、過去問の扱いも変わります。塾の良し悪しではなく、今得られているものと不足しているものを分けます。
今の塾には、次のことを具体的に確かめます。
必要なものがそろっているなら、むやみに環境を変える理由はありません。一部分だけ足りないなら、今の塾を残し、その部分だけを補う方法があります。
注意したいのは、不安になるたびに授業と教材を足さないことです。新しいものを一つ増やすなら、その週から何を減らすかも決めます。教わる時間ばかりが増え、本人が一人で解き直す時間を失えば、初めて見る問題で使える力にはつながりません。
塾の宿題を終えるだけで一週間が過ぎている場合は、中学受験塾についていけない子の家庭学習を先にお読みください。今の塾と志望校の組み合わせを別の目で見てほしい場合は、中学受験のセカンドオピニオンで相談できます。
同じ学校でも、受けた模試によって判定が違うことがあります。
よい判定が出れば安心し、悪い判定が出れば志望校を変えたくなります。ただ、模試によって集まる受験生や問題は違います。四教科の土台を見るのか、愛知県内での位置を見るのか、特定校に近い問題への対応を見るのか。目的によって判定の意味も変わります。
答案では、正答率の高い問題を落としていないか、算数の一問に時間を使いすぎていないか、国語で本文へ戻れていたかを見ます。理科・社会も、知識不足と資料の読み違いでは戻る勉強が変わります。
模試は、志望校を決めてもらうものではありません。次の数週間で、普段の教材のどこへ戻るかを決めるために使います。
過去問では、点数より先に「その学校で崩れた理由」を探します
六年生で過去問を始めると、合格最低点との差が気になります。ただ、一回分の点数だけで相性まで決めることはできません。同じ四教科入試でも、文章量、問い方、記述、図や資料の使い方は学校によって違います。
普段は取れるのに、ある学校の算数では最初の一手が出ない。国語では設問の求める範囲を外す。理科・社会では資料を結びつけられない。その理由を「慣れていない」で終わらせません。
私は、答案と一緒に問題用紙を見ます。
どの問題から始めたか
条件へどんな印をつけたか
図、表、途中式が残っているか
どこで手が止まり、どこから方針を変えたか
解説を読んだ後、自分でもう一度解けたか
数日後にも同じ考え方を使えたか
一年分を解いたら、次の年度へ進む前に、普段の教材へ何を戻すかを決めます。何年分も点数だけ記録し、同じ失敗を繰り返すより、一年分から直すことを見つけた方がよい場合があります。
算数で最初の一手が出ない場合は、中学受験算数|答えではなく考えている途中を見るへ。国語の選択肢や記述が安定しない場合は、中学受験国語|本文の根拠から読み直すもお読みください。
併願校を「第一志望の前に受ける学校」とだけ考えると、合格後に初めて迷います。本人はその学校で学ぶ可能性を受け入れているか。複数の学校に合格したら、本人の希望と六年間の学びのどちらを基準に選ぶか。手続きの期限も含めて考えます。
出願前に結論を固定する必要はありません。ただ、合格したら進学を考えられる学校なのかは、親子で話しておきます。
また、受ける学校を増やすほど安心できるとは限りません。学校が増えれば、確かめる過去問も増えます。第一志望と共通して直せるところと、その学校だけに必要な確認を分けます。
入試日、合格発表、入学手続きの期限などは年度によって変わります。愛知県私学協会の日程情報を入口にし、最後は必ず各校の最新募集要項を確認してください。
愛知県外や寮制中も候補にある方は、蒲郡から全国の私立中学受験を考えるご家庭へへ進んでください。
五年生では、学校別の難しい問題を急いで増やすより、習ったことを翌週も一人で使える状態を作ります。
授業中は分かった。宿題も丸になった。それでも、少し形が変わると止まる。そういう単元を残したまま進むと、六年生で学校別の問題へ入ったときに戻る場所が増えます。
算数の比・割合・速さ、国語の設問理解、理科・社会の復習。どの学校を目指しても必要になる土台を作りながら、本人が学校のどこに反応するかを見ます。五年生のうちは、候補が二校、三校と残っていても構いません。
→ 中学受験の小学5年生|算数・宿題・家庭学習を立て直す
六年生になると、通常の授業、模試、学校別の勉強、過去問、出願準備が重なります。全部を同じ強さで進めることはできません。
今週は何を直すのか。新しい教材を本当に始めるのか。第一志望と併願校で共通している課題は何か。本人が一人で考え直す時間と睡眠を残せているか。
六年生では、足りないものを全部集めるのではなく、合格に必要なものを選ぶ力が要ります。
→ 中学受験の小学6年生|過去問と家庭学習の優先順位
保護者や塾が毎日の予定を細かく決めることで入試を乗り切れても、入学後に本人が学習を戻せなければ、授業の進度が上がったときに苦しくなります。
受験中から、分からない場所を言葉にする。教えてもらった問題を、時間を置いてもう一度解く。間違えた理由を、答えではなく途中から説明する。次に同じ考え方を使う問題を、自分で見つける。
こうした勉強は、中高一貫校へ入った後、数学や英語で分からないところが増えたときに自分で戻る土台にもなります。
入学後の学校教材、数学・英語、定期考査については、東三河の中高一貫校生向け学習サポートで扱っています。
私は家庭教師として約三十年、延べ六百人ほどの子どもたちを見てきました。愛知県内の中学受験では、東海中学校、滝中学校、南山中学校男子部、愛知淑徳中学校などを目指す子どもたちにも関わってきました。
それでも、以前の合格者の教材や勉強時間を、次の子へそのまま当てはめることはしません。算数で図が出ない子、国語で根拠を拾えない子、資料問題で崩れる子、塾の宿題だけで一週間が過ぎる子では、必要なことが違うからです。
間違えた問題だけでなく、正解した問題も見せてもらいます。正解していても、式を何度も書き直していることがあります。国語の選択肢は合っていても、根拠を説明できないことがあります。解説を聞いた直後だけできて、数日後には最初から止まることもあります。
点数には表れない迷いを見つけ、本人が次も一人で使える考え方になっているかを確かめます。
Thinking Studyを運営しているのも、noteで「豊橋の凡人家庭教師」として書いているのも、蒲郡のご家庭を担当するのも同じ私です。
→ 正解した問題を説明できない子|豊橋の凡人家庭教師
東海中と滝中のどちらを中心にするか迷っている。女子校と共学校の両方を見ている。桜丘中と名古屋方面の学校を比べたい。塾では順調だと言われるが、過去問になると点が取れない。
そのような段階でも構いません。
ご相談の際は、分かる範囲で次のことをお知らせください。
難関校を一律に勧めたり、転塾を前提に話したりはしません。今の塾を残すのか。一部分だけ補うのか。何も増やさず、宿題と解き直しを立て直すのか。実際のお子さんの学習を見てから考えます。
合格や成績上昇を保証することはできません。ただ、今できていること、志望校に対して不足していること、親子で決めておきたいことは、できるだけ具体的にお伝えします。
蒲郡から愛知県内の私立中学受験について相談する
指導料金・学習相談料金を確認する
蒲郡の中学受験全体へ戻る
桜丘中と名古屋方面の学校を一緒に考えてもよいですか
構いません。地域や偏差値だけで順番を決めず、それぞれで本人が学ぶ可能性を考えます。第一志望と併願校で共通して直せる部分と、学校ごとに必要な準備を分けます。
まずは続ける前提で、現在の教材、模試、テスト、答案を見ます。今の塾で作れている土台を残し、志望校に対して足りない部分だけを補える場合もあります。
志望校と、模試で何を確かめたいかによって変わります。判定だけでなく、集まる受験生、出題範囲、受験後にどの教材へ戻るかまで考えて選びます。
相談できます。ただし、状況を見ないまま「間に合います」とは言えません。新しい志望校の過去問、現在の教材と答案、入試日程を見て、残り時間で優先することと、今回は追わないことを分けます。
※入試科目、日程、出願方法、募集人数、入学手続きなどは、学校・年度によって変わります。受験校を決める際は、各学校公式の最新募集要項をご確認ください。