通知表を受け取ると、どうしても数字に目が向きます。
前回より上がった。
下がってしまった。
友達より低かった。
志望校には足りていない。
数字は分かりやすいため、保護者も子どもも強く反応します。
しかし、内申点は子どもの価値そのものではありません。
数学が3だから、数学的な力がすべて平均というわけではありません。
テストでは取れているのに、記述や課題で十分に考えを表せていないこともあります。
反対に、ワークや提出物には丁寧に取り組んでいても、基礎の理解が不安定でテストになると点数が取れないこともあります。
同じ評定でも、そこに至った理由は違います。
内申点だけを見て、
「努力が足りない」
「もっと真面目にやりなさい」
「やる気がないから上がらない」
と決めてしまうと、本当に見なければならない部分を見失います。
内申点は、子どもを評価し切る数字ではありません。
今の学習状態を考えるための、一つの手がかりです。
学校で評価を受ける以上、自分の学習を相手に伝わる形にすることは必要です。
分かっていても、答案に書かなければ伝わりません。
一生懸命取り組んでいても、提出期限を過ぎれば、先生が確認できないことがあります。
頭の中では考えていても、レポートや振り返りが空欄なら、その過程は見えません。
ですから、
途中式を書く。
自分の考えを言葉にする。
期限を確認する。
間違いを直す。
必要な課題を提出する。
こうしたことは、単なる内申点対策ではありません。
自分の考えや努力を、相手に伝わる形にする練習でもあります。
ただし、見た目だけを整えることとは違います。
答えを赤で写して、きれいなワークを作る。
意味を理解しないまま、振り返りの模範文を書く。
評価されそうな言葉だけを並べる。
先生の前でだけ、やる気があるように振る舞う。
これでは、一時的に提出物が完成しても、学力や学び方は残りません。
必要なのは、評価される演技を覚えることではありません。
自分が何を学び、何が分からず、次にどうするのかを、少しずつ表せるようになることです。
学校ワークは、内申点のために提出するものだと思われがちです。
しかし、本来は、自分が理解できている部分と、まだ分からない部分を確かめるための教材です。
一度解く。
丸をつける。
間違えた理由を見る。
解説を読む。
もう一度、自分で解いてみる。
この流れがあって初めて、ワークが学習になります。
ところが、期限直前に始めると、学習ではなく作業になります。
空欄を埋める。
答えを写す。
赤で直す。
提出する。
本人も、それでは力がつかないと分かっていることがあります。
それでも、量が多すぎる。
分からない問題が多い。
どこから始めればよいか分からない。
期限が迫っている。
怒られたくない。
その結果、答えを写すしかなくなっている子もいます。
この状態で「赤写しをするな」と注意するだけでは、なかなか変わりません。
必要なのは、正しい行動を命令することではなく、なぜそうなっているのかを一緒に見ることです。
始める時期を少し早くする。
全部ではなく、重要な問題を選ぶ。
分からない問題の印のつけ方を決める。
解説を読んでも分からないところを残す。
次に質問する問題を決める。
学習の手順が見えてくると、学校ワークは少しずつ「提出するもの」から「自分のために使うもの」へ変わります。
「できなかった」は、叱る材料ではなく次を考える材料です
勉強では、できなかったことがたくさん出てきます。
覚えたつもりだったのに忘れた。
テストでは解けなかった。
予定どおり進まなかった。
提出期限に間に合わなかった。
同じ計算ミスを繰り返した。
こうした失敗を隠そうとすると、学習は形だけになります。
できなかった問題を答えで埋める。
悪い点数の答案を見せない。
分からなくても「分かった」と答える。
宿題をやっていなくても、やったことにする。
失敗を責められる環境では、子どもは失敗から学ぶより、失敗を隠す方法を覚えてしまいます。
私は、できなかったことを責めるより、
「どこまではできたのか」
「どこから分からなくなったのか」
「なぜ今回は進まなかったのか」
「次は何を変えてみるのか」
を一緒に考えます。
失敗しない子にすることはできません。
大人でも失敗します。
大切なのは、失敗したあとに止まったままにならないことです。
うまくいかなかった理由を考え、次の方法を試してみる。
その繰り返しの中で、子どもは自分の学び方を知っていきます。
内申点が上がらないとき、
「もっと勉強時間を増やそう」
「もっと集中しよう」
「もっと真面目にやろう」
という話になりがちです。
しかし、「もっと頑張る」だけでは変わらないことがあります。
英単語を何度も眺めているけれど、テスト形式では確認していない。
数学の解説を読んで分かった気になっているけれど、何も見ずに解き直していない。
長時間机には向かっているけれど、簡単な作業ばかりを続けている。
塾の宿題に追われ、学校の定期テスト対策が後回しになっている。
この場合、努力が足りないのではなく、努力の使い方が合っていません。
学習を立て直すときに必要なのは、精神論より具体的な確認です。
何をできるようにしたいのか。
今、どこまでできているのか。
どの方法なら覚えられるのか。
一人でできる部分はどこか。
助けが必要な部分はどこか。
次に確認するのはいつか。
こうしたことを一つずつ考えます。
最初から自分一人でできる必要はありません。
一緒に決める。
一緒にやってみる。
次は一部を自分でやる。
最後に自分だけでできるか確かめる。
少しずつ手を離していきます。
何が得意なのか。
何が分からないのか。
どこで時間がかかるのか。
どの教科を後回しにしやすいのか。
自分の状態が分からなければ、学習方法を選べません。
通知表、答案、ワーク、小テストは、自分の状態を見るための材料になります。
勉強する内容は、いくらでもあります。
すべてを完璧にやろうとすると、何も始められなくなる子もいます。
今週は英単語を優先する。
数学は間違えた問題に絞る。
提出期限の近い理科から始める。
定期テスト前は塾の先取りを減らす。
状況に合わせて優先順位を決める力は、高校進学後にも必要です。
空欄があると不安になり、答えを写して埋めたくなります。
しかし、本当に必要なのは、分からない問題を分かる形で残すことです。
問題番号に印をつける。
どこまで分かったかを書く。
解説の分からない部分を示す。
次に聞くことを決める。
質問が得意でない子でも、こうした準備があれば助けを求めやすくなります。
同じ方法で何度やっても結果が変わらないなら、努力量だけでなく方法を見直します。
書いて覚える。
声に出す。
問題にして確認する。
図にする。
人に説明する。
短い時間に分ける。
自分に合う方法は、一度で見つかるとは限りません。
いくつか試しながら探します。
予定が崩れることはあります。
体調が悪い日もあります。
学校で疲れる日もあります。
遊んでしまう日もあります。
何もしたくない日もあります。
大切なのは、一度崩れたらすべて終わりにしないことです。
次の日に10分だけ始める。
一教科だけ戻る。
一問だけ解く。
学習を続けられる子は、毎日完璧な子ではありません。
止まったあとに、もう一度始める方法を持っている子です。
中学校では、学校や塾、保護者が学習を細かく支えてくれることがあります。
宿題を確認してくれる。
テスト範囲を整理してくれる。
提出期限を知らせてくれる。
勉強する内容を指定してくれる。
しかし、高校では学習量が増え、授業の速度も上がります。
一度分からなくなると、次の単元にも影響します。
科目数が増え、課題、部活動、通学時間との調整も必要になります。
そのとき、
誰かに言われるまで始められない。
きれいな提出物を作ることに時間を使いすぎる。
答えを写して終わる。
分からないことを隠す。
テスト前だけ長時間勉強する。
という学び方のままでは、苦しくなります。
中学校の内申点対策は、高校受験のためだけに行うものではありません。
高校に入ったあと、自分で学習を続けるための準備にもできます。
おとなしい子、質問できない子にも、その子なりの学び方があります
授業中によく発言する子もいれば、人前ではほとんど話せない子もいます。
すぐに質問できる子もいれば、何が分からないのかを言葉にするまで時間がかかる子もいます。
行動が速い子もいれば、考えてからでなければ動けない子もいます。
表に見える積極性だけで、学ぶ気持ちの強さは判断できません。
質問できないなら、問題に印をつける。
口頭で説明しにくいなら、途中式や短い言葉で残す。
大勢の前で発表しにくいなら、まず一対一で考えを整理する。
書く量が負担なら、重要な部分から取り組む。
その子ができる方法から始めます。
無理に別の子のように振る舞わせるのではなく、その子なりに学習へ参加できる形を探します。
子どもの内申点が下がると、保護者も不安になります。
「勉強したの」
「ワークは終わったの」
「提出物は出したの」
「この点数で高校に行けるの」
確認したくなるのは当然です。
しかし、毎日確認される側の子どもは、勉強そのものより、親から注意されないことを目的にするようになる場合があります。
机に向かっているように見せる。
終わっていないのに終わったと言う。
答案を隠す。
ワークを答えで埋める。
家庭が、学校とは別の評価場所になってしまいます。
保護者がすべて管理する必要はありません。
必要なのは、
困っていることはないか。
一人で進められないところはどこか。
学校や塾に確認した方がよいことは何か。
外部の力を借りた方がよい状態か。
を落ち着いて見ることです。
親子だからこそ、勉強の話をすると感情がぶつかることもあります。
そのときは、家庭の外にいる人間が間に入る意味があります。
Thinking Studyでは、内申点だけを聞いて、すぐに勉強量を増やすことはしません。
可能な範囲で、実際のものを確認します。
通知表と観点別評価。
定期テストや小テストの答案。
学校ワーク。
レポートや振り返り。
テスト範囲表。
塾の教材や宿題。
家庭での学習状況。
同じ評定3でも、必要な支援は違います。
基礎知識が不足している子。
問題文を読み取れない子。
自分の考えを文章にできない子。
学校ワークを始めるのが遅い子。
間違い直しの方法を知らない子。
質問できず、分からない部分を抱えている子。
疲れや不安が強く、机に向かう余力がない子。
原因を分けずに「もっと頑張ろう」と言っても、学習は変わりません。
まず、現在地を見ます。
そのうえで、今できる一つを決めます。
必要なときは一緒に取り組みます。
できるようになった部分は、少しずつ本人へ返します。
管理し続けることが目的ではありません。
最終的には、私がいなくても、
自分で始める。
分からないところを見つける。
必要な助けを求める。
方法を変える。
失敗したあとに戻ってくる。
そんな学び方ができるようになることを目指します。
内申点は大切です。
高校受験で必要なら、できる対策を行うべきです。
ただ、数字だけを上げようとすると、子どもの学習が見えなくなることがあります。
なぜテストで取れないのか。
なぜワークを始められないのか。
なぜ答えを写してしまうのか。
なぜ質問できないのか。
なぜ塾に通っていても家では動けないのか。
その理由は、子どもによって違います。
叱る前に。
教材を増やす前に。
塾を変える前に。
内申点アップを強く約束する言葉に飛びつく前に。
一度、実際の学習状態を見てください。
内申点は、ゴールではありません。
しかし、ただの通過点でもありません。
その過程をどう歩くかによって、
評価されるためだけに動く子になるのか。
自分の失敗から学べる子になるのか。
自分に合った学び方を考えられる子になるのか。
その先が変わります。
内申点アップの先に残したいのは、通知表の数字だけではありません。
自分で考え、試し、失敗し、また始められる力です。
Thinking Studyは、内申点を上げるための学習を、その力を育てる機会にもしたいと考えています。
豊橋市・豊川市を中心に、東三河および周辺地域で、中学生の学習相談と家庭教師指導を行っています。
内申点が上がらない。
定期テストの点数が伸びない。
提出物は出しているのに評価につながらない。
塾に通っているのに家では勉強しない。
親が教えると喧嘩になる。
高校入学後も続けられる学び方を身につけてほしい。
このような場合は、通知表、答案、学校ワーク、提出物などを見ながら、現在どこで止まっているのかを整理します。
入会を前提としない、教育相談・学習セカンドオピニオンにも対応しています。
内申点だけで子どもを見るのではなく、その数字の背景にある学習を一緒に考えます。